では、火山灰が実際にもたらす影響とはどのようなものがあるのでしょうか。
一番に影響してくるものは樋でしょう。軒先に延びていて屋根に降り注いだ雨をそのまま垂れ流すのを防ぎ排水してくれる部分になります。
屋根は建坪とほぼ同等の面積があり火山灰が降り注げばかなりの量になります。その火山灰が雨により流れて樋に流れるのですが、火山灰は濡れると動きが鈍くなる性質があります。雨水と一緒に排水されず、その殆どは樋内に堆積していきます。そんな中、横樋から縦樋に流れ落ちる箇所に枯葉や枝が飛んできて詰まってしまえば積もった火山灰がどんどん増えていき、やがて集水器以外から溢れ出始めそのうち重みで樋が変形したり角度が変わりどんどん事態は悪化します。実際にご相談頂いたお客様の樋を見てきましたが、中には火山灰やその他の異物が樋の8割程まで堆積していた例もあります。そのお客様の樋は変形してあちらこちらから雨水が溢れる状態でした。雨水が溢れ出すとその下にあるものは侵食によってコンクリートの土間はひび割れ、テラスなどの木部があれば腐りだし、下屋があれば瓦が磨り減り劣化を早めていきます。
その他にも瓦同士の隙間が狭いスレートなどの瓦の隙間に入り込めば雨水の逃げ場がなくなり内部に入り込んで最悪の場合雨漏れを引き起こす恐れもあります。
ひと粒ひと粒は目に見えない火山灰ですが、放っておくと大変な事になりかねないのがお分かりいただけたと思います。