軒天の雨染みと剥がれは見逃し厳禁! 雨漏りや鳥獣被害に繋がります

街の屋根やさんにはお客様からこんなご相談をいただきます

お家を維持する上でかなり重要な部分が軒天です

地上から屋根を見上げた時に見える屋根の裏側の部分のことを指します。
「軒下」、「軒裏」、「軒裏天井」、「上げ裏」という呼ばれ方もします。この軒天、屋根の裏側にあるため、雨や風とはあまり関係ないと考えがちですが、実は傷みやすい部分なのです。
なぜ風雨の当たりづらい屋根の裏にあるのに
雨染みができたり、汚れたりするのでしょうか?

また、豪風雨で雨樋にそれなりの雨水が溜まっているとなれば強風で波打ち、雨樋を超えてしまうこともあります。それが鼻隠しについて軒天まで伝ってくることもありえます。
濡れにくいだけであって、決して濡れないわけではないのです。
屋根や雨樋が健全な状態であっても雨水が伝ってくる可能性が高いのですから、関係するところに不具合が起こっていれば、押し寄せてくる雨水も増加します。そうやって劣化を早めていくのです。
傷んでしまった軒天を補修しなかったら、どうなるの?


鳥などは屋根のちょっとした隙間にも巣を作ってしまいます。剥がれたところが小屋裏への侵入経路となり、巣をつくられてしまう可能性があります。
鳥はダニ・ノミ、寄生虫を持っている可能性があり、健康に非常によくありません。また、糞尿によっても健康被害が発生します。
鳥の巣に卵やヒナがいる状態で撤去するのは鳥獣保護法により、禁止されています。巣立つまでダニ・ノミ、寄生虫、糞尿といった被害に耐えなければならないかもしれないのです。
また、鳥以外の小動物、アライグマやハクビシンの住処にされる可能性もあり、こちらもダニ・ノミ、寄生虫、糞尿といった被害を受ける可能性があります。こうなる前に補修してしまうのが一番です。


雨水の染み込んだ軒天は傷みが加速していきますので、暴風雨の度に雨漏りは酷くなっていきます。


軒天が剥がれたりして、数十cm程度の穴ができるとそこから風が吹き込み、屋根が破壊されてしまうこともあります。基本的に建物は横からの風や雪の重みに耐えられるように造られています。
上からと横からの一定方向の力には強いのです。下からの力が加わることはほぼ想定されていないため、小屋裏などに強い風が吹き込むと屋根や天井が壊れてしまう可能性が高まるのです。
豪雨の中、いきなりお家が屋根無しになったら…恐ろしいことです。絶対に避けねばならない事態です。

軒天の補修方法は塗装・重ね張り(軒天カバー工法)・張替えの3つです

軒天の傷みが比較的、軽微な場合に行います。
軒天表面の防水性が低下している場合にのみ行います。表面に健全な塗膜をつくることによって雨水を材料に染み込まないようにして、劣化を防ぎます。
なお、重ね張りや張替えの場合にも塗装を施して表面を保護することもあります。

重ねて張りに耐えられる強度があると判断できた場合に行います。
これまでの軒天の上から新たな材料を重ね張りします。これまでの軒天がベニヤであっても、燃えにくくて耐水性の高いケイカル板を使用するのがお勧めです。

これまでの軒天が今後の使用に耐えられないと判断できた場合に行います。
これまでの軒天を撤去し、全て新しいものへと張り替えます。張り替える場合、これまでの軒天がベニヤであっても、燃えにくくて耐水性の高いケイカル板を使用するのがお勧めです。
張り替えるなら換気ができるケイカル板の有孔板がお勧めです。
軒天を張り替えるならケイカル板の有孔板を使用しましょう。
有孔板とは規則正しくいくつもの穴を開けられた板のことで、この穴から空気が出入りできるので自然換気が可能なのです。小屋裏(屋根裏の)の湿気や熱気を排出してくれるので、お家を健康に保ちます。
軒天の材料も見てみましょう。一般的なお家に用いられる軒天の材料

築年数が経過しているお家の軒天に使われていることが多いが、耐久性や耐火性、耐水性に難があるため、現在では使われることは少なくなった。
●価格が安い
●耐久性や耐火性、耐水性に劣る
●水分や湿気によって合板同士の接着力が落ちて剥がれてくる

現在、軒天に最も使われている材料。耐火性、耐水性に優れており、軒天以外でもお家のさまざまな部分に使われている。
●耐火性、耐水性、断熱性に優れている。法定不燃材
●製造年月日が古いものにはアスベストが含まれている可能性がある