家の軒下をガレージに!オープンガレージのメリットや施工費用を解説
自宅にガレージが欲しいけれど敷地に余裕がない、そんな時に注目してほしいのが、家の軒下の空間です。
軒下と呼ばれる住宅の屋根の下の空間を上手く活用することで、ビルトインガレージよりも安価に設置できます。
また、カーポートよりも頑丈な、便利なオープンガレージを作り出すことができます。
この記事では、軒下を活用したガレージのメリットやデメリット、リフォームの際の費用相場、注意点などを詳しく解説していきます。
家の軒下をガレージとして活用できる?
軒下の空間を上手く活用して便利なガレージを作れることを、ご存じでしょうか。
家の外壁面よりも長く伸びた、軒と呼ばれる屋根の下部の空間を軒下といいます。
必要に応じて柱や壁を追加して家の軒を通常よりも長く施工することで、広い軒下の空間が生まれ、ガレージとして使用できる開放的な駐車スペースとなるでしょう。
このようなガレージはオープンガレージとも呼ばれ、上部に住宅の2階部分が乗っている場合はピロティガレージと呼ばれることもあります。
オープンガレージは通常の独立ガレージよりも省スペースでの施工が可能です。
シャッターが付いた本格的なビルトインガレージよりも安価な施工が可能なため、敷地に余裕がない場合や費用を抑えたいときにおすすめのガレージです。
軒下オープンガレージのメリットとデメリット
軒下を活用したオープンガレージにはたくさんのメリットがあります。
また一方で、いくつかのデメリットも存在するため、その両方をしっかり把握しておきましょう。
雨や雪から車を守ることができる
軒下をオープンガレージにすることで得られる一番分かりやすいメリットは、雨や雪から車を守れるというメリットです。
軒下に車を入れることで雨による汚れを軽減し、冬場のフロントガラスの凍結まで予防できます。
また、雪の多い地域においては、車の雪下ろしや雪かきの手間もぐっと減らすことが可能です。
車の乗り降りや荷物の出し入れが楽になる
軒下ガレージを玄関と隣接させて設けることで、車の乗り降りや荷物の出し入れが楽になるというメリットも得られます。
特に、雨や雪の日に濡れることなく車に乗り込むことが可能になるというのは、カーポートや独立ガレージでは実現しづらい、うれしいポイントです。
また、玄関までの動線を短くできるため、買い物帰りに重い荷物を運ぶのも楽になります。
建物とマッチした統一感のある駐車スペースにできる
家の外観を損ねることなく、建物とマッチした統一感のある駐車スペースを作れるというのも、軒下オープンガレージのメリットのひとつです。
柱や壁に使用する外壁や屋根の材料を建物の住宅部分とそろえ、一体化させることにより、統一感のあるオープンガレージが実現します。
カーポートなどと比べ家の正面の雰囲気を壊すことなく、安心感のある駐車スペースの確保が可能です。
ガレージ内の天井高さが低い場合がある
軒下をガレージとして活用する場合に懸念されるデメリットのひとつが、ガレージ内部の天井の高さが確保しにくいという点です。
通常の軒の高さのままで軒下をガレージにすると、内側の天井の高さが低くなるケースがあります。
車高の高い車の駐車が想定される場合や、天井高に余裕のあるガレージにしたいときは、あらかじめ建物1階部分の高さを調節したりガレージ部分の軒の高さを変更したりするなどの工夫が必要です。
建物1階の住居スペースやお庭が狭くなる場合がある
建物1階部分とつなげて軒下部分にガレージを施工することで、住居スペースが狭くなったり、敷地内の庭にあたる部分が十分に確保できなかったりというデメリットもあります。
このデメリットを特に気にする必要があるのは、広さに余裕がない狭小地にガレージを作るケースです。
狭小地に軒下タイプのガレージを設ける場合、建物1階部分の多くの割合を駐車スペースに割くことになります。
そのため、1階の居住スペースが圧迫され、メインの居住スペースが2階へと追いやられるケースがあります。
軒下をガレージにリフォームする際の費用相場
軒下をガレージにリフォームする際の費用相場は、およそ100~350万円ほどです。
既存の住宅の軒下をガレージにリフォームする方法には、大きく分けて2つの方法があります。
1つは、既存建物の住居部分はそのままに、現状の駐車スペースや庭の部分を利用して新たに柱を建てて屋根を施工する、「増築」に分類される方法です。
増築により軒下オープンガレージをリフォームする際の費用相場は、150~350万円程度です。
また、不要になった部屋など、既存建物の1階の住居スペースの一部を解体して、その部分をオープンガレージに改装する「減築」による方法もあります。
こちらの、減築によって建物1階部分をオープンガレージにリフォームする費用の相場は、80~250万円程度です。
これらの方法でオープンガレージやピロティガレージを施工するリフォームは、決して安価な工事ではありません。
しかし、三方を壁で囲ってシャッターを付けるような本格的なビルトインガレージを設けるリフォームに比べれば、ぐっと費用を抑えられるケースも多いです。
自宅の軒下にガレージを作るにはどういった方法が可能なのか、予算はどれくらい必要なのか、気になる方はぜひ一度リフォームの専門業者に相談してみましょう。
軒下をガレージにリフォームする際の注意点
軒下のガレージリフォームを検討する際に、気にしなければいけない注意点がいくつか存在します。
リフォーム工事の後に後悔することがないよう、以下のポイントを必ず確認しましょう。
ガレージの位置によっては室内の日当たりが悪くなる
既存の建物とガレージ施工箇所の位置関係によっては、設置した屋根や壁により建物の室内の日当たりが悪くなってしまう場合があるため、注意が必要です。
特に、南入りの土地に建つ住宅の場合、駐車スペース側に居室の窓が集中していることも多いため、ガレージの位置はしっかり検討してください。
ガレージのリフォーム工事のせいで室内の日当たりが極端に悪くなった、といった失敗を防ぐため、建物の窓の位置や方角を確認したうえで、柱や壁、屋根の設置場所などを業者と詳しく相談しましょう。
リフォーム業者の中には、ガレージ本体の打ち合わせはしても既存建物に与える影響については細かく説明しない悪徳業者も存在します。
工事内容や仕上がりイメージの説明が明瞭な、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
建物の形状や敷地の状況による費用の差が大きい
既存住宅の軒下にガレージを設けるリフォームは、建物の形状や敷地の状況による費用の差がとても大きいため、注意が必要です。
同じ規模のガレージの施工でも、既存建物の形状や状態、敷地の状況や面積の差、高低差などにより必要な工事の内容が違うため、かかる費用も大きく変わってきます。
また、状況によって、思い描いた通りのガレージが施工できる場合とできない場合があります。
予算を考えるうえでも参考にできるため、一度、業者に現地調査と見積もりをお願いするのが確実です。
業者によって工事の見積もり価格に大きな差が出る場合も多いため、ガレージリフォームの検討の際には、複数の会社に見積もり依頼をすることをおすすめします。
ご自宅の軒下を便利なガレージに!まずはプロに相談しよう
住宅の軒下の空間を活用して作るガレージについて解説いたしました。
ガレージの施工を検討中の方は、軒下オープンガレージのメリットやデメリット、注意点などを参考にしていただけると幸いです。
理想の軒下ガレージを実現するためには、ガレージ施工のプロとしっかり相談することが大切です。
費用相場を目安に複数の業者の見積もりを比較して、適正価格で便利なオープンガレージを実現しましょう。
軒下について詳しく知りたいのなら「軒下や軒天(軒裏)ってどこ?場所や役割、放置してはいけない理由を解説!」もチェックしてみましょう。