瓦屋根のリフォーム費用は?種類とリフォーム方法ごとに解説
「古くなってきた家で瓦屋根だと地震が心配だな」
「瓦屋根をリフォームするとしたらどのくらい費用がかかるのか」
瓦屋根のお宅にお住まいの方なら一度は思うことでしょう。
この記事では、以下のポイントを解説していきます。
- 屋根瓦の種類
- 瓦の種類によって違うリフォーム方法と費用
納得のいく瓦屋根のリフォームのために、ぜひお読みください。
屋根瓦のリフォーム費用の相場
屋根瓦には2種類があり、和瓦とセメント瓦に大別されます。
和瓦は、粘土を焼いて作った瓦で、素焼きや釉薬をかけたものがあります。
セメント瓦は、セメントを瓦の形に成形したものです。
リフォームの工法がまったく違うので、まずは自宅の屋根瓦の種類を確かめましょう。
和瓦の場合
和瓦は、割れや傷みがなければ何度でも使えます。
耐用年数は100年と言われ、塗装も不要です。
和瓦のリフォームは、載せ替え、既存瓦の葺き直し、補修の3つがあります。
瓦の載せ替え工事
全体的に割れや劣化がみられる場合は、新しい瓦に載せ替える工事をします。
約30坪の家で120万円が目安です。
瓦は耐用年数が長く、塗装などのメンテナンスがいらないのが大きなメリットです。
デメリットは、瓦が重いので耐震性の心配があること、廃棄物処理のお金がかかることです。
既存瓦の葺き直し
瓦がずれていたり、一部が破損していたりするものの、多くの瓦が傷んでいない場合は、既存の瓦での葺きなおしをします。
30坪の家で60万円程度の工事となります。
葺き替えに比べて安あがりですが、補修箇所に同じ瓦がないことがあるでしょう。
補修工事
屋根の棟(一番高い部分)の漆喰を補修したり、割れた瓦を交換したりするだけですむ場合もあります。
足場がいらなければ、5~30万円程度と安あがりです。
和瓦の塗装工事の事例
和瓦の塗膜が剥がれたため、塗装で補修を行った事例です。
塗膜が剥がれた原因は、前回の塗装の際に下地処理をしっかりと行わなかったことでした。
まずはしっかりと高圧洗浄で汚れを落とします。
高圧洗浄をしっかりするだけでも、塗料の吸着力が変わり、保ちがよくなります。
こちらの工事では、吹き付けスプレーを使いました。
瓦のような形をしていると、ローラーだと塗ったときにムラになる恐れがあるからです。
ほかの屋根塗装と同じく、下地、中塗り、上塗りの3回塗りで完成しました。
セメント瓦の場合
葺き替え
現在、セメント瓦は価格と耐用年数のコストパフォーマンスが悪いため、生産されなくなってきています。
そのため、別の屋根材への葺き替えが主流となっています。
一例として、屋根材をガルバリウム鋼板に葺き替えた場合は、30坪で100万円程度かかります。
この場合、瓦屋根の重さが軽減されるというメリットはありますが、やや高額な葺き替え工事となります。
塗装
セメント瓦は、防水塗装がされており、塗装膜が劣化する前に塗装メンテナンスが必須です。塗装の膜がなくなると、すぐにセメント瓦自体が劣化し、雨漏りなどにつながります。
塗装にかかる費用は、30坪で25~40万円程度です。
塗装は他の屋根工事に比べて価格が安いのはメリットですが、約10年後に再塗装か葺き替えが必要です。
セメント瓦の塗装工事の事例
住宅のセメント瓦、そして車庫の屋根を塗装した事例です。
高圧洗浄、補修をして、下塗り、中塗り、上塗りを行いました。
カビが生えていたわけではありませんが、汚れや劣化が激しかったため、高圧洗浄をしっかりと行いました。
塗料の付きや保ちのためにも、高圧洗浄や下地の補修は漏れなく行うのがいいでしょう。
色はチャコールグレーという、黒に近い落ち着いたグレーで塗装しました。
住宅だけではなく、車庫の屋根とも色を合わせているので、外から見てまとまりがある雰囲気に仕上がっています。
セメント瓦からガルバリウム鋼板への葺き替え工事の事例
セメント瓦を施工して以来、一度も塗装メンテナンスを行っていない住宅の屋根を、ガルバリウム鋼板へ葺き替えした工事事例です。
瓦がずれて、内側の防水シートがあらわになっている箇所がありました。
内側から確認すると、下地もボロボロで穴が空いており、雨漏りが起こっている状態でした。
まずはケラバ(切妻屋根の妻側の端部分)を補修し、既存の部品を使用しながら垂木部分を施工しました。
下地をつけ、次に防水シートを設置します。
こちらの屋根には「改質アスファルトルーフィング」という、一般的なアスファルトルーフィングよりも高性能で高価なタイプを使用しました。
屋根材には軽くて丈夫な「ガルバリウム鋼板」を採用し、縦葺きで施工しました。
セメント瓦とは違った、スタイリッシュな外観のできあがりです。
セメント瓦の谷樋交換の事例
セメント瓦屋根の谷樋(たにとい)部分を交換した事例を紹介します。
谷樋とは、排水機能の役割を持った屋根の部位です。
雨水の合流地点になることから、雨漏りが起こりやすいとされています。この工事では、既存の谷樋を撤去し、新しいものに替え、瓦屋根も葺き直しました。
防水には、アスファルトルーフィングと改質アスファルトルーフィングの2枚を使い、防水性をより強固にしました。
次に、耐久性が抜群の「ガルバリウム鋼板」でできた谷樋を設置します。
最後に瓦を葺き直します。新しく替えた瓦を塗装したら完成です。
屋根瓦のリフォームを安くする方法
屋根瓦のリフォームを安く行う方法には、3つあります。以下では、
- 補助金
- 助成金
- 火災保険
の使い方、申請方法などを詳しく説明します。
屋根瓦のリフォームに補助金を使う方法
国や市区町村では、断熱工事や葺き替え、カバー工事、塗装工事などを屋根のリフォームに関する補助金が用意されています。
補助金の金額や内容はそれぞれ異なりますが、ここでは一般的な申請方法を紹介します。
まずは申請書や家の図面など、申請に必要な書類を集め、書類を作成し、それを提出します。
その後、書類審査や抽選などによって、補助金が受給できるかどうかが決まるという手順です。
補助金を使いたいという方は、お住まいの市区町村のホームページをチェックしてみましょう。
屋根瓦のリフォームに助成金を使う方法
内容は自治体によって変わりますが、対象工事費の何%や、上限何%という決まりがあります。
補助金との違いは、期間内に申請すれば、どなたでも手にできることです。
気になる方は、各市区町村に確認してみましょう。
屋根瓦のリフォームに火災保険を使う方法
火災保険の風災補償を使ったリフォームをするのが可能なケースもあります。
それは、台風や雪など自然災害で損害を受けた場合です。
風災の補償はほとんどの火災保険にセットになっていたり、保険加入時に付帯しなければならなかったりします。
自分の保険について気になる方は、保険証や保険会社のホームページを調べてみましょう。
屋根瓦のリフォーム費用を知るために素材の種類を把握しよう
屋根瓦の種類によって、リフォームの工事と費用が変わるため、まずは自宅の屋根瓦の種類を確認しましょう。
また、補修をする際には予備の瓦を何枚かおいておくと、次の部分補修のときに同じ瓦を使えるので便利です。
【一緒に読みたい記事】