台風でも飛ばない屋根と、材料ごとのメリット・デメリットをご紹介!
近年、地球温暖化の影響によって、日本全国で台風の被害が頻発しています。
「台風で屋根が飛ばされないか心配」
「どんな屋根だったら台風で飛ばされないの?」
上記のような疑問や不安をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
この記事では、建築の国家資格を持つ専門家が、台風に強い屋根について皆さんの疑問や不安を解消します。
具体的には、以下の内容を記載しています。
・台風がもたらす屋根の被害
・屋根材料ごとの特徴
・台風対策としてのメリット・デメリット
・どの屋根材料が台風に強いのか
記事を読んで屋根選びの参考にしてみてください。
台風がもたらす屋根の被害例
大雨や強風を伴う台風は、住宅の屋根に大きな被害を生じさせます。
しかし、屋根材料ごとのメリット・デメリットを知って屋根選びをすることで、台風による被害を防ぐことができます。
まずは、台風が屋根にどんな被害をもたらすのか、具体的な例を見ていきましょう。
強風で屋根が飛ぶ
台風の強風によって、屋根が飛ばされる被害が多く発生します。
よくあるのは、「棟板金」と呼ばれる、スレート屋根や金属屋根のてっぺんに覆うようにして設置されている金属製の板が飛ばされるというケースです。
さらに注意が必要なのが、瓦屋根です。
瓦屋根が飛んでしまった場合、周囲に大きな被害を発生させる恐れがあります。
大雨で雨漏りが発生する
台風で発生する被害として、大雨による雨漏りが挙げられます。
降水量が多いほど、屋根から雨漏りするリスクは高まります。
さらに、屋根の老朽化や施工ミスで破損や浮きがあった場合、雨漏りの原因となります。
特に金属屋根の錆や浮きは、雨漏りに繋がりやすいので注意が必要です。
台風で屋根が飛ばされてしまう理由
屋根の経年劣化
メンテナンス不足
施工不良
台風で屋根が飛ばされないようにするための方法
棟板金の固定
屋根材のメンテナンス
金属屋根のサビ
瓦屋根のズレや脱落
漆喰の割れ
屋根材料ごとの台風へのメリット・デメリット
台風の強風を受けても飛びにくい屋根は、瓦屋根です。
重量が大きいので風で飛ばされにくく、最近では耐風性が高い乾式工法が主流となっており、ますます台風に強い屋根が作られています。
瓦屋根の乾式工法とは、瓦を固定する際に漆喰を使わず、棟補強金具を下地に設置する方法です。
漆喰を使うよりも軽量なので、住宅への負担も減らせます。
以下では、屋根材料ごとに台風対策の観点からメリット・デメリットを紹介していきます。
・瓦屋根
・金属屋根
・スレート屋根
上記の3つを詳しくチェックしていきましょう。
瓦屋根
日本では古くから使われてきた瓦ですが、現在でも住宅の屋根としては一般的な材料です。
台風の多い沖縄や九州では、瓦屋根の住宅が多くなっています。
メリット
瓦屋根のメリットとしては以下の点があります。
・耐久性が高い
・重くて飛ばされにくい
重くて風に飛ばされにくいというのが瓦屋根の大きな特徴です。
デメリット
デメリットには以下の2つがあります。
・湿式工法だと強風に弱い
・重いため風で飛んだ時に周囲に被害を出しやすい
瓦屋根を施工する際、昔は漆喰や土で固定するだけの湿式方法がとられていました。
そうした古い住宅の屋根は、瓦の重量だけで風に耐えることになります。
このため風雨で土や漆喰が崩れやすく、瓦が飛ぶ危険がありました。
しかし現在では施工の技術が進み、木材に瓦を打ち付ける工法などを用いることで、台風で飛ばされにくい屋根となっています。
瓦屋根は西日本の住宅におすすめ
金属屋根
メリット
デメリット
メンテナンス頻度を減らすことを重視する人には金属屋根がおすすめ
スレート屋根
スレートは、セメントで作った板状の軽い屋根材です。
現在の住宅の主流となりつつある屋根材でもあります。
メリット
デメリット
値段重視の人にはスレート屋根がおすすめ
値段重視という方には、スレート屋根がおすすめです。
なぜなら、スレート屋根は1平方メートルあたり5,000円がだいたいの相場となっており、とても安価な屋根材だからです。
安い分、耐久性は劣りますので、注意してください。
台風で屋根が飛ばされた場合の対処法
台風で屋根が飛ばされた場合、どのように対処すればいいか解説していきます。
もしもの場合に備えて、手順を確認しておきましょう。
専門業者に修理を依頼する
屋根が飛ばされたら、専門業者に依頼して早急に修理するようにしましょう。
屋根が破損した場合、雨漏りの原因にもなります。
雨漏りは住宅内部も劣化させてしまうため、早めの修理が必要です。
台風による屋根の破損は火災保険の補償対象
台風によって屋根が飛ばされて破損した場合、火災保険の補償対象となります。
火災保険を申請して、破損が補償対象と判断されれば修理費用がかかりません。
台風での被害が火災保険の補償対象となるためには、主に以下の条件をクリアしなければなりません。
・台風の風災による破損
・修理費用が20万円以上
・被害を受けてから3年以内
加入している火災保険によって条件は異なるため、保険証券を確認してみましょう。
まとめ:台風対策には瓦屋根がおすすめ!
瓦屋根は重量が大きく、飛ばされにくいので台風対策には1番有効的な屋根材です。
「乾式工法」といった新しい施工方法を用いることで、さらに飛ばされにくい屋根にできます。
この記事を参考にして、土地や住宅に合わせて、台風に強い屋根選びをしてみてください。
台風で屋根が壊れた際はリフォームが必要です。
詳しい情報は「屋根リフォーム費用を工程・材料ごとにチェック!安くする方法も注目」をご覧ください。