葺替えとは現状の瓦(必要があれば下地木材・防水シート等まで)などの屋根材を撤去し、新しく
瓦を乗せていく(必要があれば下地工事まで)工事です。場合によっては下地を現状のまま利用したり、既存の瓦の上から新しい下地を造り瓦を葺いていくカバー工法といったものもあります。
葺替えの判断材料としては瓦や下地全体の劣化や寿命を見ます。日本家屋に一番多い和型の焼き瓦では一枚一枚がめくれますので何箇所かめくると分かりやすいです。和型の瓦には被さっている奥の方に下地の瓦ざんに引っ掛ける為の爪が付いています。焼き瓦の和型は劣化が進むと風化して爪の辺りが溶け出してきます。下地は瓦が寿命になると雨水の侵入からさん木や下地の板は腐りアスファルトルーフィングなどの防水材は破れ全体が腐っていきます。ここまで行くとめくらずとも引っ掛かりのなくなった瓦は固定されず、下から流れを見ると歪んでガタガタになっていき、歩けば腐った下地のせいで瓦が激しく動きブヨブヨした感覚になります。その他にも寿命が近づくと瓦は横に割れ出したり表面に欠けや砕けが出てきます。セメントやコンクリートの和型や、同じ素材の平板瓦も同じような事が言えます。陶器瓦は非常に長い寿命がありますが、中には瓦を作る工程での焼きの温度が低かったり、地域によっては凍害や塩害によって短くなることがあります。
洋風の家に多いスレート瓦では見た目で分かりやすいです。繊維やセメントを混ぜて作られるスレートは劣化が進むと繊維が剥がれていき、中がスカスカになるミルフィーユ化が起こります。そうなるとちょっとした衝撃や荷重で簡単に割れてしまいます。さらに熱や雨風によって段々スレート自体が反ってきます。下から見ても分かるぐらい隙間が出来ていたら葺替えをご検討したほうがいいかと思います。