「瓦」といったら多くの人が思い浮かべる形は、和形(わがた)です。
和形は、日本の屋根に多く使われているタイプです。
この記事で紹介するのは「いぶし瓦」といって、少し変わった製法で作られている瓦になります。
具体的には以下の内容を紹介しています。
いぶし瓦とは何?
いぶし瓦のメリットやデメリットを知りたい
工事費用はどのくらいなのか
上記の疑問に答える記事です。
いぶし瓦の性能を知り、目的にあったものを選びましょう。
いぶし瓦は「燻(いぶ)された」瓦です。
高温で瓦を焼き上げた後に空気を遮断し、蒸し焼きにすることで、独特の輝きをもつ銀色になります。
中まで色がついているため、多少の欠けがあっても目立たないでしょう。
耐用年数は30~50年となっています。
下地が弱くなってくるので、5年を目安に定期点検をしながら20年に1度はメンテナンス工事が必要でしょう。
いぶし瓦のメリットは2つあります。
1つ目は、独特の光沢が美しいことです。
他の瓦では表現できない独特な光沢があり、日本らしい風情のある仕上がりになります。
2つ目は、屋根の温度調整ができることです。
いぶし瓦は吸水性のある瓦です。
夏の雨上がりには、瓦が吸った水分が陽射しにより気化して、打ち水のような効果があるでしょう。
いぶし瓦は繊細なため、扱いには注意が必要です。
デメリットは2つあります。
1つ目は、汚れやコケが付きやすいことです。
施工の時には手袋をしないと手アカがつくほどにデリケートです。
年数がたつと色ムラが目立ち、場所によってはコケも生えてきます。
2つ目は、寒冷地には向かないことです。
いぶし瓦の吸水性はデメリットにもなります。
冬場の気温がマイナスになる地域では、吸った水分が凍って膨張し、瓦が割れる危険性もあるでしょう。
寒冷地に適した、耐久性が高いいぶし瓦を選ぶ必要があります。
他の瓦には出せない輝きが、日本の和風住宅に良く合います。
凍害の可能性も考えると、寒冷地には向いていないでしょう。
日本建築が好きな人や、暖かい気候の地域に住んでいる人におすすめです。「釉薬瓦」は表面にガラス質の釉薬を塗り、焼き上げることでコーティングされた瓦です。水の吸水をなくし、ツヤを出す役割があります。
一方で、「いぶし瓦」は、表面にコーティングのない無釉瓦です。
釉薬瓦に比べると耐久性が少し落ちます。
吸水性が高いことがメリットにもデメリットにもなります。いぶし瓦は一般的な瓦より費用が高くなります。
施工方法は他の瓦と一緒ですが、いぶし瓦は材料自体が高価です。
下記の金額は切妻屋根におけるいぶし瓦の1平方メートルあたりの単価相場です。
施工価格:13,000円~
部分補修:10,000円~
下地の葺き替えや、屋根の形によって費用は大きく変わります。
割れた瓦の修理程度なら、部分補修で安価に済みます。
いぶし瓦は「三州瓦」や「淡路瓦」が有名です。
以下では、いぶし瓦の商品例を3つ紹介します。
上質な三河土で形成された瓦を高温で焼き上げ、伝統的な燻化方法で作られた、深みのある色合いの三州瓦です。
年数が経つにつれ深みのある色合いになります。
いぶし瓦には珍しい洋風の瓦です。
スタイリッシュな形が「和」「洋」問わず、現代の建物に合うでしょう。
1平方メートルあたりの設計価格は11,200円です。
淡路瓦です。
淡路は有名な瓦の産地で、いぶし瓦の生産量が全国1位です。
「なめ土」と呼ばれる粒子の細かい良質な土が、いぶし瓦に適しています。
1平方メートルあたりの設計価格は11,000円です。
中まで色がついているのが、いぶし瓦の特徴です。
釉薬瓦にはない渋い輝きが、なんともいえない雰囲気を作りだすでしょう。
年数とともに出てくる「色ムラ」がデメリットといわれますが、それもまた、いぶし瓦の魅力のひとつです。
費用は少し高めですが、瓦屋根が好きな人から根強い人気がありますので屋根材として検討してみましょう。
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