夏の日差しを遮る対策として、庇(ひさし)を取り付ける方法があります。
昨今では、大型のホームセンターに足を運べば、市販されている庇を目にする事もあるので、DIYでの取り付けを考えている人もいるかもしれません。
壁にビス留めするタイプの庇が多いので、DIYの取り付けも可能ですが、安易な取り付けを行うと施工不良を招いてしまいます。
この記事では、庇を設置する際に踏まえておきたい点や、取り付けることで得られる効果を解説していきます。
庇とは、窓などの開口部に設けられる小型の屋根を指します。
日除けや雨風除けの目的で設置され、施工も比較的簡単なので、後付けすることも容易な部位です。
庇が『小型の屋根』であれば、屋根や軒(のき)といった部位と同様なのでしょうか。
以下では、「屋根」と「庇」、「軒(のき)」それぞれの違いを説明していきます。
屋根とは、雨や雪、風や日差しと言った天候の変化を受けても快適な居住空間を確保するために設けられる構造物です。
一見すると庇と同様の効果得られるので、同じものに思われるかもしれませんが、構造物か否かの大きな違いがあります。
「建築における構造物」とは、風や地震などに対して抵抗するよう構築されたものを指します。
軒とは、壁から突き出ている屋根の一部分のことを指しています。
そのため、屋根と同様の効果と役割があります。
庇とは、開口部に設けられる小屋根のことです。
屋根と異なり、構造物ではありません。
自重を支える事は可能ですが、風や地震などに対しては弱く、重いものをのせたり人が乗ったりすると壊れるおそれがあります。
庇をつけることで得られる効果は、『日除け』と『雨除け』の2つです。
このうち、日除けとしての効果が最も大きく、古くは吉田兼好の『徒然草』でもその効果がうたわれています。
単純に日除け効果を期待できるだけでなく、冬場の南中角度の変化から日射量の増加を期待できるものもあります。
一方、『雨除け』の効果に関しては、開口部に雨が直接かからなくなるので、多少の小雨なら窓を閉める必要がなくなります。
サッシに雨が当たらなくなるので汚れや劣化を防ぐ効果も期待できるでしょう。
また、夏場に居室への日差しがあまりにも強いのであれば、庇を設置することで居住環境の改善を期待することが可能です。
庇には『陸庇(ろくひさし)』と『腕木庇(うできひさし)』の2種類があります。
一般的には『陸庇』が多いですが、日本家屋では『腕木庇』も目立ちます。
庇のほとんどが陸庇(ろくひさし)です。
築における陸(ろく)とは、平らを指しています。
陸庇は設置が簡単なことが特徴です。
取り付けたい位置にビス留めするタイプが多いですが、構造上、腕木庇よりも張り出しが少なくなります。
また、上辺が平らなものが多く、勾配は緩めとなっています。
日本家屋でよく見られるのが腕木庇です。
柱や間柱に腕木を差し込み、板を掛けるように設置されます。
横から見ると三角形の様な形となっており、腕木があることで張り出しを大きくする事が可能です。
日除けの効果も期待できます。
日本家屋であれば、木材を使用することがほとんどです。
現在流通しているものの多くは「アルミ製」もしくは「ポリカ製」のものが多くなっています。
庇に使う素材として例を5つあげます。
軽量のため比較的どこにでも設置しやすい素材です。
耐久性も期待ができますが、錆びるため経年劣化は避けられません。
アルミは錆びないと言う人もいますが、実際には錆びると白くなるためわかりにくだけです。
カーポート屋根などに使われる素材で、半透明なものが多く、軽量で設置しやすい庇です。
また、他の素材に比べて大型なものが多いので、場合によっては支柱が必要になります。
耐久性に優れ、雨風だけではなく耐摩耗性も高く、傷がつきにくい素材です。
価格が最も安いので、リーズナブルに庇を導入することができます。耐久性と軽量性に優れた素材であり、なおかつ意匠的な効果が高い素材です。
また、施工性にも優れるので、比較的どこにでも設置する事ができます。
日本家屋で用いられる素材で、杉やヒバなどがあります。
防腐剤に柿渋を用いれば経年劣化も楽しむことができます。
ただし、DIYには不向きな素材と言えるでしょう。
庇の設置工事費は、5〜15万円程度が相場となっています。
また、素材によって庇取付工事の価格は大きく変わってきます。
アルミ:1万円〜
ポリカ:6万円〜
ガルバリウム鋼板:9,000円〜
ガラス:19万円〜
木材:5万円〜
上記は庇単体の価格です。
他に工事費用がかかります。
庇は構造物ではないため設置が容易です。
しかし、設置する際には以下のような注意点をふまえておきましょう。
庇の多くは、ビス留めをするものです。
簡単な工具で設置する事が可能で、建築の知識が無い方でも庇を後付けできます。
それでも、DIYで庇を設置するのは避けたほうが無難です。
庇設置の施工不良によって庇の落下や雨漏りの原因となってしまうからです。
雨漏りに関しては、壁にビス留めするので止水としてコーキングを行う必要があり、難易度が高いです。
庇の落下防止は、ビス留めする部分によっては、補強等が必要なためノウハウがなければ難しいです。
また、新築物件を将来的に売却することを考えるのであれば、DIYによって不動産の価値が下がることも懸念されます。
庇は日除けとしての効果が大きいので、日射角度を基準に考える必要があります。
特に、夏場の南中角度を考慮して設置しないと、庇としての効果を発揮しなくなってしまうのです。
庇を設置するのであれば、夏場の日射角度に合わせて施工するようにしましょう。
相見積もりとは、複数の業者に見積もりを依頼する事です。
庇の設置工事で見積もりを複数社に依頼すれば、相場の価格がわかります。
建築の知識がなくても適正価格で工事を依頼することができるでしょう。
また、複数の業者で相見積もりを行えば、より有意義な庇の設置工事を依頼できるでしょう。
相見積もりのメリットは、相場を知って納得ができる工事が行える点です。
リフォーム業者の中には、相手に知識が無いことを逆手にとって、法外な工事費を請求する場合があります。
相見積もりを行っていれば、詐欺にあう危険を避け、工事内容も明確になるので、自分の求める庇の設置工事を選ぶことができるでしょう。
庇の設置工事の相場は5〜15万円ですが、選ぶ業者によって費用を抑えられます。
相見積もりでチェックするポイントは『金額』と『内訳』、『工事内容』です。
金額と内訳に関しては誰もが目を通す部分ですが、工事内容に関しては分からないことが多いでしょう。
わからないことは重点的に聞くようにすると良いでしょう。
庇の工事では、追加工事の有無や、どの部分にどの様に設置するかはしっかりと説明を受けておくと良いでしょう。
庇とは、開口部に設けられる小型の屋根のことです。
庇の工事では、以下のような点に注意することをおすすめします。
庇は日除けが目的のため屋根ほどの強度は無い
素材により重量や価格、耐久性が異なる
DIYでの設置は避けたほうが無難
日除けとしての効果を期待するなら夏場の日射角度を中心に考える
業者に頼むときには相見積もりをする
上記を意識して、庇の設置工事で失敗しないようにしましょう。
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