重厚感があり日本伝統の家屋に使用される「瓦」。
屋根に使用される「瓦」は、常に雨や風雪にさらされたり地震や自然災害の影響を受けたりしながらも、住まいを守ります。
この記事では、「瓦」が固定されている仕組みや施工方法のメリットやデメリットを紹介します。
屋根に使用する「瓦」は、形状や材質、メーカーの等級や生産地によって異なるものを含めると1,000〜1,200種類にもなります。
屋根に取り付ける「瓦」は、安全であることが優先されるもの。
そのため、「瓦」の固定方法には、建築基準法による「基準風速」や屋根工事に関する「ガイドライン法」によって決められた施工方法に従っています。
この法律により、大型の台風など強風による被害を最小限にすることが可能です。
安全や品質が考慮されている「瓦」の固定方法もさまざまです。
主な固定方法のメリットやデメリットをチェックしてみましょう。
屋根に取り付けた野地板に土をのせて瓦を重ねるだけという工法が「土葺き」です。
施工期間が短く、断熱性や防火性には優れた構造であることがメリットです。
しかし、土の重量に加え、瓦の重さが加わると建物への負担が大きいことや、風圧によって瓦が飛ばされてしまう危険性が注目されてきました。
そのため、近年では「土葺き」による瓦屋根の施工は減少しています。
「銅線」や「鉄線」、「ステンレス線」などを使用して留め付ける固定方法もあります。
屋根の下地として野地板などを張った後、横材となる桟木を瓦の寸法に合わせて流し、瓦の上部と桟木を「銅線」などで固定します。
「銅線」によって固定することで、地震による瓦の落下や台風などの強風で飛ばされることを防げる大きなメリットがあります。
この「銅線留め付け」による瓦の固定は、落下防止として屋根で瓦を使う際の一般的な方法です。
施工業者とメンテナンスやリフォーム会社が変わっても、状況を把握しやすいでしょう。
ただし、屋根工事の資材として使われる「瓦」「桟木」「銅線」などは耐用年数が10〜100年と異なります。
漏水や老朽化が始まる前にメンテナンスをしておくことが大切です。
瓦に小さな穴を開け、銅線などの代わりに「釘やビスによる留め付け」を行う瓦の固定方法もあります。
この場合、瓦1枚ごとにすべての瓦を留めていくか、瓦2枚に対して1枚だけ留めるかは、住まいのある地域の「基準風速」によって異なります。
釘やビスを使って瓦を固定するのは、安全面や屋根工事の品質を高めるのに効果があります。
しかし、仕上げ材の瓦に穴を開けて固定するため、ヒビが入ったり瓦が欠けたりするデメリットがあります。
ヒビや欠けが発生したまま取り付けてしまうと、経年とともに強風のダメージを受けやすくなり、破損や漏水の原因になりかねません。
屋根に敷き詰められた瓦は、自然の影響を受けながらも風雪・豪雨・台風などから住まいを守ります。
特に、九州地方南部の鹿児島県や沖縄県は「基準風速38〜42m」と、最も風の強い地域とされています。
また、「瓦」自体は、耐用年数が60〜100年とされているので、長持ちして安心できる資材のひとつです。
しかし、大型の台風の後や地震があったとき、また地域や立地条件を考慮すると、住宅を守るためにはメンテナンスが必要になります。
なぜなら、耐用年数が長い「瓦」と、野地板や桟木などの木材では、劣化速度も異なるからです。
屋根に使用されている各部材の状況を適格に判断し快適な住まいを維持するには、専門業者による定期的なメンテナンスがおすすめです。
ベランダやテラス、屋上がある住宅の場合、直接「瓦」の状態を見ることも可能です。
安全性を考えるなら屋根の上に乗って確認するのは危険が伴います。
また、築年数による劣化を判断したり、瓦を設置しているルーフィングや下地の状況を確認したり、表面的には判断しづらい状況が発生していることもあります。
屋根工事の専門工事業者の場合と、工務店や建設会社など住まいの建設やリフォームを一式請け負っている会社では、メンテナンス費用も異なる場合がります。
一般的には瓦のメンテナンスは1枚あたり8,000円〜1万5,000円が相場となっています。
メンテナンスの際には、「棟」と呼ばれる屋根の一番高い部分の固定が正常か、瓦の色アセや欠け、ズレや歪みなどが発生していないかなどを確認します。
屋根の部分的な修繕や全体的なリフォームが必要になるときなど、事前に見積書を提示してもらい実施する内容と費用を説明してもらいましょう。
この場合、既存の瓦を使って直す場合では1平方メートルあたり1〜2万円が相場です。
材質を変えて瓦屋根から新しい屋根に変える場合は、軽量で耐久性のある洋瓦や屋根の資材も増えているので、1平方メートルあたり1万5,000円〜3万近くになることもあります。
屋根の瓦は、普段目にすることが少ない屋外の部分ですが、住まいを守り保護する大切な箇所です。
雨漏りが始まってからでは、リフォームも大掛かりになり、広範囲に及ぶこともあります。また、瓦の固定状態に問題が発生すると、建物や室内に被害が出ることもあります。
台風シーズンが来る前や家の築年数を考えて、漏水や浸水が気になり始める前に、一度メンテナンスをしておくとよいでしょう。
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