ガルバリウム鋼板のおすすめ屋根材メーカーと代表商品を紹介!
屋根の経年劣化は、太陽光による紫外線や熱、そして雨水などで確実に進みます。
しかし、日常的には気づきにくく、ある日突然の雨漏りなどで異常に気づくのです。
あわてて新築時の施工業者やリフォーム業者に相談し、勧められるままに修繕・リフォームを行い、その出来栄えや選択などで後悔してしまうことも少なくありません。
ここでは、屋根のリフォームで増えつつあるガルバリウム鋼板の上手な選び方について紹介していきます。
雨漏りしてからでは、時間がなく十分な検討はできません。
事前に、ガルバリウム鋼板の主だったメーカーと代表商品の情報を知り、後悔しない屋根リフォームの参考にしてください。
ガルバリウム鋼板のおすすめ屋根材メーカーと代表商品
ガルバリウム鋼板とは、鋼板にアルミニウム・亜鉛・シリコンの合金でメッキされたもので、防錆性能はトタンの亜鉛メッキに比べて3倍以上もあると考えられています。
なお、現在ではガルバリウムの成分にマグネシウムを加えて進化させたり、基材に特殊な塗装を施して性能をアップさせたりしている商品もあるでしょう。
この記事では、上記を含めて広義的なガルバリウム鋼板を解説します。
アイジー工業株式会社「スーパーガルテクト」
- 特徴:横張り商品、断熱材一体型
- 価格:6,210円/平方メートル(メーカー価格)
- 保証年数:塗膜保証15年、赤さび保証20年、穴あき保証25年
アイジー工業とは金属屋根部門第1位のメーカーで、スーパーガルテクトはガルバリウム鋼板を進化させた商品です。
断熱材一体型のため、遮音性能にも優れ、施工時の鋼板の凹みも起こりにくいです。
実績が多く、選んで間違いのないメーカーといえるでしょう。
ニチハ株式会社「横暖ルーフα S」
- 特徴:横葺き商品、断熱材一体型
- 価格:5,720円/平方メートル(メーカー価格)
- 保証年数:塗膜保証15年、赤さび保証20年、穴あき保証25年
断熱材一体型と保証内容はアイジー工業と同じですが、価格がやや安いです。
ケイミュー株式会社「スマートメタル」
- 特徴:横葺き商品、発泡ポリエチレン材の裏打ち3mm
- 価格:5,480円/平方メートル
- 保証年数:塗膜保証15年 、赤さび保証20年、穴あき保証25年
種類は1種類でカラーバリエーションも3色のみですが、性能と価格のコストパフォーマンスが高いです。
その他のおすすめメーカーと商品
メーカー |
特徴 |
商品例 |
日鉄鋼板株式会社 (日本製鉄グループ) |
・ガルバリウム鋼板、SGLの素材メーカー ・横葺き、たて葺き、金属屋根材 |
エバールーフ(GL) |
JFE鋼板株式会社 |
・ガルバリウム鋼板の素材メーカー ・横葺き、たて葺き、金属屋根材 |
立平333(F20エコガル) |
月星商事株式会社 (日本製鉄グループ) |
・日本製鉄の素材を屋根材に加工して販売 ・たて葺き商品が多く得意 |
MS T2ワイド220(GL)
|
元旦ビューティ工業株式会社 |
・神奈川県に本社を置いて全国展開 ・横葺き、たて葺き、金属屋根材 |
元旦一文字S(フッ素GL) |
株式会社 平島 |
・熊本県に本社を置いて九州全域で展開 ・横葺き、たて葺き、金属屋根材 |
横葺マルチ(GL) |
※表中の略称
- GL:ガルバリウム鋼板商品
- SGL:ガルバリウム鋼板をベースにマグネシウムの防錆効果をプラスし、耐食性能を向上させた商品
- F20エコガル:ガルバリウムを進化させた上で、光や熱に強いフッ素樹脂を塗装した商品
日鉄鋼板株式会社とJFE鋼板株式会社の2社以外は、大手メーカーのガルバリウム鋼板を基材として加工をしている会社です。
そのため、どのメーカーも防錆性能に違いはありません。
ガルバリウム鋼板屋根のメーカーと商品を選ぶ際のポイント
屋根のリフォームでもっとも多いのは再塗装でしょう。
しかし、屋根材の劣化や損傷が激しい時にはメンテナンスが必要になってきます。
メンテナンスには、屋根材を葺き替える「葺き替え」と、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねる「重ね葺き」の2種類があります。
葺き替えを選ぶ場合
一般的には、ルーフィング(防水素材)と野地板(下地素材)も同時に取り替えます。
葺き替えでガルバリウム鋼板を選ぶメリットは、軽量で地震に強くなる点です。
一方、屋根からの雨音が気になることもあるため、断熱材一体型や裏打ちされた製品がおすすめです。
既存屋根材の撤去があるため工事期間は長く、工事費も高くなります。
施工面積が70平方メートルの標準的な横葺きガルバリウム鋼板を想定した場合、足場や既存屋根材の撤去などを含んだ総工事費は、120〜240万円が相場となります。
重ね葺きを選ぶ場合
既存の屋根材が「波形」といった凹凸が大きい商品だと重ね葺きは採用できません。
比較的平坦な「カラーベスト」などで施工するのが一般的です。
なお、重ね葺きは葺き替えに比べて工事費を安くでき、工期も短くなります。
ただし、重量は若干ですが増えますので、屋根が重さに耐えられるか技術者に相談しておくことをおすすめします。
葺き替え同様の条件で重ね葺きした場合、工事費は80〜200万円が相場となります。
他の屋根材からガルバリウム鋼板にするメリット
1.耐震性がアップする
2.メンテナンスが楽になる
3.ひび割れの心配がなくなる
4.汚れやコケなどが付きにくくなる
一つひとつの理由を詳しく解説します。
これから屋根をガルバリウム鋼板に替えようと思っている人は、ぜひ参考にしてください。
1.耐震性がアップする
屋根は軽いほど建物への負荷が少なく、地震が起きたときも揺れの影響を受けづらいので、倒壊の危険を取り除くことができます。
また、軽いと、改修や修理などにかかる時間や手間が少ないといえます。
地震や台風などでダメージを受けた場合でも、比較的簡単にリフォームが可能です。
2.メンテナンスが楽になる
また、耐用年数が20〜35年と長いのも特徴です。
以上の理由から、メンテナンスフリーといわれることもあります。
しかし、どの屋根材でもチェックやメンテナンスは定期的に行い、不具合を起こしていないか確認すると、安心して長く使うことができるでしょう。
3.ひび割れの心配がいらなくなる
屋根材のメンテナンスや補修回数は、できるだけ少ないほうがいいと考える人が多いのではないでしょうか。
瓦やスレートなどの屋根材は、強い衝撃を受けるとひび割れたり、欠けたりしやすいですが、ガルバリウム鋼板の屋根材はその心配は不要です。
4.汚れやコケなどが付きにくくなる
また、湿気や水分を吸収することがなく、コケやカビも生えにくい屋根材です。
ただし、表面をつや消ししているタイプの場合は、表面がざらっとしており、汚れが付着しやすいです。
気になる人は、つやありタイプを選ぶようにしましょう。
他の屋根材からガルバリウム鋼板に替えるデメリット
ここでは、
1.防音性が低くなる
2.遮熱性が低くなる
3.施工費用が高くなる
といった、屋根材をガルバリウム鋼板に替えた場合のデメリットを3つ紹介します。
1.防音性が低くなる
厚みのある瓦や、重ね合わせて貼っていくスレートといった屋根材は、遮音性に優れています。
薄い金属板であるガルバリウムの場合は、雨が当たったときの音をそのまま伝えてしまう恐れがあるのです。
最近は、断熱材が一体型になったガルバリウム鋼板があるので、そちらを選んで施工しましょう。
2.遮熱性が低くなる
よって、太陽の光が強く当たる夏は、屋根、そして部屋の中まで暑くなる可能性があります。
遮熱性塗料や明るい色の塗料で塗装したり、断熱材一体型のガルバリウム鋼板を選んだりすると、遮熱効果を高めることができます。
3.施工費用が高い
ガルバリウム鋼板の施工費用は、1平方メートルあたり5,000〜10,000円で、スレートだと1平方メートルあたり4,500〜8,000円になって、多少高くなることがわかります。
ただし、ガルバリウム鋼板はスレートに比べると耐用年数が長く、メンテナンスも簡単なので、長い目で見ればお得といえるでしょう。
ガルバリウム鋼板の屋根材の葺き方
・たて葺き
・横葺き
・差込葺き
といった、3種類の葺き方があります。
葺き方が選べるのは、金属屋根の魅力のひとつです。
葺き方にもこだわって施工すると、満足いく外観に仕上げられます。
それぞれの特徴を説明します。
たて葺き
ガルバリウム鋼板らしい、シンプルでスタイリッシュなデザインになります。
雨水が軒先に溜まらず、板金のつなぎ目もありません。 そのため雨漏りしづらく、防水性の高い葺き方といえるでしょう。
横葺き
横葺きの中にも、屋根材同士を段々に配置する「段葺き」と、フラットに張る「平葺き」の2つの施工方法があります。
複雑なデザインにも対応できるので、たて葺きよりもデザインパターンが豊富です。
ただし、屋根材同士が重なる部分が多く、段差ができるため、緩やかな勾配に対応するのが難しいという特徴があります。
差込葺き
字の通り、ガルバリウム鋼板を既存の屋根材に差し込んで施工します。
簡単に施工できるのがメリットですが、既存の屋根材に直接貼って施工するため、防水シートを新しくできないというデメリットがあります。
ガルバリウム鋼板は耐用年数が長い屋根材なので、その恩恵を受けたいとお考えの場合は、あまりおすすめしない工法です。
ガルバリウム鋼板の屋根のメンテナンス方法
しかし、定期的なメンテナンスは必要だと考えるほうがいいでしょう。
理由は、メンテナンスするときれいな状態を長く保つことができるからです。
葺き替え、重ね葺き以外にできる、ガルバリウム鋼板の屋根のメンテナンス方法を紹介します。
水をかける
汚れを放置するのは、サビの原因になります。
洗剤を使ったり、ブラシを使ったりする必要はありません。
ただし、高圧洗浄は使わないようにしてください。
屋根材にあたる水の勢いが強く、コーティングの剥げや、ガルバリウム鋼板の下に水が染み込む原因になるからです。
また、地域によっては、酸性雨や塩害の影響を受けることがあります。
汚れが気になったときはもちろん、定期的に水をかけて清潔にしておくと、見た目も機能性も長持ちするでしょう。
塗り替え
先ほども紹介した通り、汚れを放置しておくと、そこからサビてしまう可能性があるからです。
塗り替えの周期は屋根材ごとに変わりますが、15〜30年前後が一般的とされています。
耐用年数も考慮して、不具合が出る前に塗り替えるのがおすすめです。
ガルバリウム鋼板の屋根材を施工する際の業者選び
すべての業者が施工できるわけではないことを覚えておきましょう。
ガルバリウム鋼板の屋根工事の実績がある
比較的新しい屋根材で、金属製の屋根でもトタン屋根とは異なる特徴を持ちます。
そのため、施工できる技術や経験がある業者を選ぶ必要があるのです。
施工経験や実績については、業者のホームページをチェックしてみてください。
希望するガルバリウム鋼板の屋根材を取り扱っている
使いたいと思っている種類を取り扱っていない場合もあるため、事前の確認が必要です。
依頼を考えている業者が希望するガルバリウム鋼板の屋根材を取り扱っているか、ホームページをチェックしたり、営業担当者に聞いたりしてみましょう。
まとめ:ガルバリウム鋼板屋根のメーカーと商品はコスパで選ぼう!
ガルバリウム鋼板屋根のメーカーや商品選びは、コストパフォーマンス優先をおすすめします。
屋根は外壁に比べて間近で見ることができず、遠目には横葺きとたて葺きのラインや色の違いだけしかわからないからです。
ただし、価格が安すぎてもいけません。
塗膜や赤さび、穴あきなどの保証期間と価格を比べて、得だと感じる製品を選びましょう。
ガルバリウム鋼板は金属だから夏は室内が熱くなるのではと考える人は「ガルバリウム鋼板屋根は暑い?遮熱性、断熱性を徹底解説」もチェックしてみてください。